12月に入り、今年もあと1ヶ月になりました。師走は南風の嵐で始まりました。ものが飛ばされ、原付バイクも倒されてカウルが折れてしまいました。場所によっては竜巻注意報も出たようで何とも年末のお騒がせものでした。
師走というと、なんだか忙しくバタバタする印象です。師走の語源を調べると、師とは僧侶のことで元々は師馳(は)す、「僧侶がお経を唱えに馳せる」の意味だそうです。ただ、師というとやはり先生、お師匠様とイメージします。先月、大相撲九州場所が終わり、横綱照ノ富士の2連覇となりました。照ノ富士も優勝の弁ではまずお師匠の伊勢ヶ浜親方への感謝を述べていました。照ノ富士は怪我や病気で一時は6階級で下から2番目の序二段まで落ちて誰もがこのまま引退かと思われていました。当然階級が下がると今までついていた付き人や給料さえも無くなり、大きな相撲部屋では以前は格下の力士のさらに下になりますので形見が狭い思いをしなければなりません。そんな照ノ富士に師匠の伊勢ヶ浜親方は実力を信じ励まし続けたそうです。本当に弟子を信じていたのでしょう。見事復活し、白鵬がいなくなり一人横綱と言う重責がかかる中、見事連続優勝しました。
かつては相撲部屋というと、「かわいがり」という厳しいしつけと稽古がありました。その厳しい稽古に打ち勝たないと、実際取り組みで大きな怪我をしたりして命を落としかねないので絶対必要と考えられてきました。ただ、度が過ぎて「しごき」になり、平成19年には死亡事故が発生し、国会でも論議されました。記憶に新しいところでは、伊勢が浜部屋の当時の横綱日馬富士が貴乃花部屋の力士に暴行し、結局その後の体罰問題も重なり名門貴乃花部屋は消滅しました。その時渦中の伊勢ヶ浜親方の心労は想像もつかないほどだったと思います。そんな親方も今回の照ノ富士の指導で評価も上がり、手のひら返しでマスコミも賞賛しております。
今、時代はマスコミの影響で単色化されております。しごきが悪いとか、言葉がきついとか、叱ることは必要ないと教育の場でも散々たたかれております。確かに無意味でただ感情的な「体罰」は決してしてはいけませんが、弟子が危険だったり、緊急事態でとっさの対応が出来なくなります。ただ褒めて伸ばすというのは如何なものかとも思います。
私にも外科のお師匠さんが何人かいます。今思うと、受けた指導といえば叱責ばかりで、見て真似をして体で覚える、でした。でも、私にとっての師匠は神様で自然と場面場面で手が動き、とっさの緊急事態でも対応できたのはお師匠さんの厳しい「かわいがり」のおかげでした。「Don’t Think, Feel」とかつてのブルースリーの映画の台詞でしたがその通りでした。
今、私は師匠となっている世代になりましたが、果たしてその役が出来ているか疑問に思うことがあります。
コロナ禍で翻弄された2021年が終わろうとしております。今後もまだ禍は続くことが予想されますが、2022年は2021年という経験があります。何とか乗り越えていきましょう。
突然ですが、私のブログは区切りが良い今回で終わろうと思います。
クリニックでは更に精進し、皆様の健康に貢献できるよう邁進していきます。
引き続き宜しくお願いいたします。