4月20日より、神奈川県もコロナ感染のまん延防止等重点措置の対象となりました。藤沢市はまだ適応になっておりませんが、何時適応になるのかは時間の問題かもしれません。
今年の大型連休も緊急事態宣言やまん防で自粛生活を余儀なくしなくてはならなくなりました。もちろんそれに逆らうつもりも無く、自分たちに出来る医療を日々行っております。ただ、最近は我々医療従事者も疲労感もあってか、いまの政策に同調できないことが多くなっています。
昨年の2月よりコロナ感染の流行で通常生活が出来なくなり1年あまりが経過しました。特に日本はダイアモンドプリンセス号のクラスター発生で、発生国である中国の次に感染の中心となりました。世界でもこの感染症に対しては経験があるはずが、1年が経ち、感染対策が成功したとは言えない状況です。元々日本人の感染数が少なく重症者や死者の数も少なく、幼少期のBCGが要因だとか遺伝子レベルで感染に強かったなどまだ結論が出ていません。各国よりも死者の数は今でも圧倒的に少なく、私も十分注意すればそれほど怖くないと煽り報道を批判しておりました。ただし、最近ウイルスの変異株が多発しており、今までとは違ったステージになっているのではと考えております。
ウイルスは自分では増殖できないので生物とは言えません。増殖するためには、生物である人間細胞で自分をコピーしていく以外、滅亡してしまいます。そのコピー回数が多くなるとミスコピーも出てきて変異していきます。今回コピー回数が凄まじいほど早く、各国で変異多発しております。日本でも各国の変異株が確認され、イギリス株は大阪で猛威をふるっています。各国の変異株がこれだけ多種存在するのはなぜでしょうか?
現在日本は1日2000人と入国者の制限をしております。先日検疫で確認した感染数は14人でした。単純計算では少なくとも入国者の0.7%が陽性です。一方今一番感染者数が多い大阪では最近1週間の感染者数は人口10万人に対し89人でした。約0.09%です。10倍以上の頻度であり注意が必要ですが、今後オリンピックがあるのであればさらに注意を要します。
今、ワクチンが足りない、ワクチン接種するマンパワーが足りないと悲鳴が上がっております。ファイザーやアストラゼネカ、モデルナとすべて欧米製であるので、自国や友好国に優先的に供給をするのは当たり前で日本はその後輸入できるとわかりきっていたはずです。もちろんそれは当たり前のことで批判することは出来ません。ただ、この1年間ろくなウイルス対策無く、治療指針もださずに毎日テレビなどのメディアに出てくる感染症内科の権威(私は専門家様コメンテーターと呼ぶことにしています)と休業や生活の制限ばかり要求し、接種計画も立てずにいざワクチンが手に入る時期になれば焦るばかり。挙げ句の果てには貴重で不足しているマンパワーをオリンピックのために割くなど、支離滅裂です。
それでも我々のような小さな医療機関は医療を止めるわけにはいきません。ワクチン接種を具体的にどのようにすべきか、悶々と考えている大型連休となりました。
写真は鎌倉稲村ガ崎公園からみえる江ノ島です。手前の石碑は近代細菌学の祖、コッホ先生の来訪記念碑です。コロナウイルスまん延で苦しむ日本をどう見ているのでしょうか?